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元レスラーのタニマチが聞いたオフレコ懺悔録①~シナリオの難しさと演出方法~

相撲界の八百長問題を引き合いに出してプロレスも八百長と言われるのが辛いところですね。プロレスはエンターテイメントのショーです。それをガチンコスポーツの相撲と同類に扱われては逆にいい迷惑です。それとまだ勝ち負けが実力で決まると誤解しているファンがいますね。それはスポーツの世界のことです。プロレスはショーなので勝ち負けは配役の違いだけです。

チャンバラ映画で主役の剣士(勝ち役)がバタバタと悪漢浪人(負け役)を斬り殺しますが、これには負け役が呼吸を合わせないと迫力ある殺陣にはならないですよね。負け役が派手に斬られることで主役の剣士が強く見られ観客は拍手喝采します。これがプロレスの正体ですよ。

東映の斬られ役で「ラストサムライ」にも出演した福本清三氏は東映スター俳優が撮影が終わるとわざわざ挨拶に来るそうですよ。「お陰様で強い剣士の役が務まりました」って頭を下げるそうです。この構図もプロレスは同じです。引き立て役が存分に引き立ってこそスターは輝くものです。立派な負け役を演じてこそチャンピオンが良いカッコで歩けるんです。

これで負け役を演じるレスラーをホントに弱い選手と思われては可哀相な気がしますが、次の配役で勝ち役を貰えばいいわけです。それと日本人は判官贔屓で負け役でも人気がありますから上手く負け役を演じればオイシイ役でもあるんです。

負け役でも色々演出を考えて演じます。1つのパターンは技の失敗や自爆などで墓穴を掘るという普段、勝ち役(チャンピオン)が負け役を演じる時に演じるパターンです。防衛戦に失敗しますが次のリベンジでは見事王座に返り咲くというシナリオで多用されるパターンです。あの時は不運で負けたというファンに復讐心を煽るストーリー展開です。

話題作りのシナリオ作成が難しい時に各団体がよく使う演出プランですが、王座交代を続けるとスター選手作りが疎かになり、みんなドングリの背比べでスケールダウンというマイナス要素もあります。最初の頃はチャンピオン不在で群雄割拠の活性化の効果がありますが、段々と飽きられ晴れて誕生したチャンピオンでも、もうその頃には集客力は無くなり再び首のすげ替えという悪循環に陥ってしまう危険性があります。

朝令暮改的にチャンピオンの顔を変えるとファンも戸惑ってしまうワケです。非力なチャンピオンというイメージを持たれ、人気が持続しませんね。それで失敗した団体がいくつあるか。実際、消滅していった団体もありますよね。強ければ強いほど注目を集めファイトマネーもアップ、地位も名声も獲得できるスポーツ世界は羨ましいですね。勝ち役をずっと続けると飽きられるというマイナスが格闘技ショーの弱点です。

似て否なるその仕組みを錯覚してしまうファンがいますし、その為に飽きられないような様々なストーリー展開を持つシナリオが作られるわけですが、今のプロレス界衰退はそうした良いシナリオライターの不在が大きいと思いますね。つまり「戦いのテーマ」が無いわけです。

そのことに関連してくるんですが、団体の枠を超え共通した選手が抱える大きなジレンマが日々の「戦う」ことへのアイデンティティが感じられないということなんですよ。興行だから精一杯、全力でショーを演じるという大命題があるのは頭では理解できるけど、それが時間が経過する毎にそうしたモチベーションが落ちていき、それが観る側からは手抜きやサボり、無気力と映るんだと思います。

毎日、戦う意義というのかな、必然性が見出せないという大きな悩みがあるんです。これがマジックショーやサーカスなら全力でパフォーマンスに打ち込めると思いますが、オマケでも勝敗が存在する格闘技ショーでは気力が続かないわけです。

スポーツであれば、例えば相撲なりボクシングの個人格闘技であれば、勝つことが全ての目標になるわけです。勝つことが横綱やチャンピオンへの道に繋がるわけですから日々の鍛錬も漲るほどだと思いますよ。プロレスで勝ち役を演じてもファンが認めて一人でも多く会場に足を運んでもらえなければ配役降格です。

観客が増えれば興行価値を高める為にもベルトを作りチャンピオン役も演じさせてもらえます。ギャラも上げてもらえるでしょう。今のチャンピオンでそこまで満足を得ているのがはたして何人いるのか。

会場がガラガラで収益が赤字であれば次の配役に即バトンタッチです。実力があれがチャンピオンになれる世界がスポーツで、実力がなくても興行収益を上げる人気者がチャンピオン役を演じられるのがプロレスという格闘技ショーなんです。それぞれの役割を立派に演じてお客さんを満足してもらうという自負はみんなあるんと思うんですが、それが成功する例は少ないですね。

よくプロレスファンが名勝負と語ってくれる試合がそういう意味でいえば成功例でしょうね。選手同士の息が合う、誰かがスイングしていると評価してくれた試合がそういうものです。その時は勝ち役負け役関係なく惜しみない拍手を頂けます。先も言いましたがむしろ負け役のほうが判官贔屓で人気があるなんてことが日本では起きます。

毎試合、そうした試合であればプロレスも一流のエンターテイメントショーとして認めてもらえると思うのですが、現実には不可能です。体力や資質、その日の体調、身体能力のキャパも違う選手同士ですから、どんなに入念に事前リハーサルを繰り返しても限界があります。選手も観客も満足する内容は奇跡というマジックが起きないと無理でしょうね。

その時は感動すら与えることが出来るわけです。そのレベルの試合成立には相手との協力関係が不可欠なんです。信頼関係があってこそ格闘技エンターテイメントショーが成りたつわけです。それを忘れ勝ち役にこだわる者はプロレスには不向きです。勝ち役を演じたい、チャンピオン役のヒーロー役を貰いたいと思うのは人情ですが、全員が勝ち役ばかりでは試合が成り立ちません。誰かが負け役を演じなければプロレスは成立しません。

その分、ギャラが上乗せされたりある周期で配役が交代し、勝ち役を貰った時にはお客さんに歓ばれればチャンピオン役に出世もできるし、ギャラアップの交渉にも強気で臨めるわけです。このチャンスを上手く活かせないと負け役から脱出できず、辞めていく選手もいます。エッ? 私のこと? それはご想像に任せます(笑)。
(以下、次回へ続く)




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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

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紹介文:門茂男主宰のユニオン元会員で、同氏には長年に渡りご交誼を賜った。ライフワークであった「ザ・プロレス365」の未発表を含む取材メモを見せて頂き、その要点を再構成した「門茂男メモ」と数名のプロレス記者から入手した情報をベースに記した昭和プロレスのテーマに迫ります。
ミスター高橋の「流血~」本で白日の下に暴かれたプロレスの実像ですが、単なる暴露もので終わるのではなく、門氏が追及したレスラーの人間性にまで同じように迫りたいという思いです。

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シンタロー

Author:シンタロー
プロレスのテレビ初観戦は小学生前の幼少期に祖父宅で見た力道山プロレス。その当時、一番印象に残っている試合は降参しないと足が折れると技の恐ろしさを足4の字固めで教えてくれたザ・デストロイヤーや、吸血鬼を連想させる噛みつきで相手を出血させるレスラーの怖さを知らしめたフレッド・ブラッシーよりも、幼心にはコミカルな妙技で笑い転げたミゼット・レスラーとのタッグマッチであった。それは祖母が馳走してくれた三ツ矢サイダーの味と共に脳裏に刻まれている。放送日の詳しいことは不明だが、昭和35年8月にミゼット・レスラー(名前は不詳)初来日の記録がある。テレビ観戦がその時期のどの試合であったかは今となっては調べようもないのが残念である。
一般総合雑誌・書籍編集者として多数のプロレスや格闘技関係の企画立案に参画し、馬場、猪木、大山倍達、木村政彦を始め多くのレスラーや格闘家を取材。プロレス界のご意見番・門茂男氏とは編集ジャーナリストの大先輩として長年に渡り公私ともども御交誼を賜った。お会いする度に未整理、未発表の「ザ・プロレス365」のラフ原稿を見せて頂き、同時に門氏が口頭で語った様々なある事件の真相や噂(裏付けが未確認)を氏の了解を得てノートにまとめ「門メモ」として所有する元ユニオン会員。

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