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(無料特別企画)【白石伸生/罪と罰/「ガチンコセメント」というタブー用語を誤用し騒動を仕掛けた三流経営者】

資金面で崩壊間近であった全日プロに新オーナーとして登場した白石伸生。赤字団体であった全日を経営面の立て直し、如いては組織改革、経営方針や運営の方向性でこれまでとは変わるのは当然であろうし、リストラといった辛い場面に向き合うの企業であれば必然であろう。

ここではそうした経営の処理・運営方針については触れない。筆者が白石を最低のオーナーであると断罪したいのは船木誠勝に赤っ恥を掻かし、今頃になって「ガチンコセメント」の言葉を撤回すると言い始めたことである。今回の騒動の発端は全てこの言葉から派生したのである。言葉の重みを知らぬ軽薄者と言い替えてもいいだろう。

5月10日のフェイスブックでこう述べている。「ガチンコプロレスという表現が誤解を生みやすい点、おっしゃるとおりでね。表現方法を考えます」と白旗宣言。

筆者を筆頭に大勢のファンから「(ガチンコ・セメント)の定義を知らない」「ガチンコの意味を知らない」「ただのプロレス音痴」「ガチンコセメント試合を見たことのない素人」等批判が殺到し、慌てて今回修正を施してきたのである。

「技を受けきる」「反則技も5秒OK」とおよそガチンコセメントとは相容れない矛盾した言動を撒き散らし、ファンや関係者に大きな疑問を投げかけ混乱を招いた張本人である。白石が誤読していたガチンコセメントとは今となっては笑い話でしかないが、なんのことは無い最初に筆者が喝破(別稿参照)した通り「劇場型シーソーゲーム」のことであったのである。

そのような試合は白石が声を大にして大言壮語するようなモノではなく、前から行われていた旧型のシナリオプロレスの基本である。

当初、白石が「ガチンコセントプロレスの導入」と「シナリオプロレスの排除」を宣言した時、真っ先に反対を表明したのが船木誠勝であった。他のレスラーが周りの様子を伺っている最中、いの一番に「反対」手を挙げたのである。

これは2000年5月26日、ヒクソン・グレーシーとリアルファイトを行い、1Rにチョークスリーパーで地獄に突き落とされた船木だからこそ、その恐怖を誰よりも知っていたから出来た行動であろう。

この試合後、船木は記者団に「死ぬかと思った」と正直にその恐怖を語っている。そうした命のやり取りを全日マットで行えば、いずれ死傷者(大怪我・不具者)が出ると判断した思いもあったはずだ。

無論、この時はガチンコセメントの意味を文字通り真剣勝負と捉えたのは白石以外は全員同じであった。故に他選手たちが迂闊に返事ができなかったの仕方はあるまい。口ではガチンコでやれと迫るがその場合のルール、ファイトマネー、補償といった当然ガチンコの前に立ち塞がるこうした重要な諸問題に対するプランは何も無かったのである。

ヒクソンは船木との一戦で1億円を超えるファイトマネーを手にしている。母国ブラジルに帰れば英雄として名士の扱いを受けている。つまりセメントの対価として名誉、地位、財力を手にしているのである。リアルファイトであれば当然であろう。ボクシング、相撲を見るまでもない。

ガチンコセメントを行っても今の全日マットでは手にするのは雀の涙ほどのギャラでしかない。誰が危険を冒して金銭はおろか補償も名誉もないリアルファイトなどするわけがないではないか。しかもドサ周り興行、つまり1週間に3回、4回もセメント勝負などできるはずもない。白石は真剣勝負と事前に殺陣師が決める竹光のチャンバラごっことを混合しているのである。

その矛盾に気づいたからこそ今になって慌ててガチンコセメントという言葉の撤回を言い始めたのであろう。素直に最初からガチンコセメントというタブー語を使わなければ問題は起こらなかったはずである。

しかるに禁句のガチンコセメントを連発しフェイスブックで喚き散らした。この状況下で返事を求められれば反対しかありまい。船木の反応は正論であった。しかも白石は「シナリオプロレスを排除」するとも言っていた。本来の意味でのガチンコ勝負ならこれは当然であろうが、予定調和型でしかない白石流プロレス(技を受けきる=劇場型シーソーゲーム)を実行するにはシナリオは不可欠である。

ここで言うシナリオとは角界の八百長事件で問題となった携帯メール、控室やトイレでの事前の打ち合わせ、試合中のコールといった素人のファンが見てもすぐに露見していまうような稚拙な方法ではなく、試合の空気や流れを読んで阿吽の呼吸で勝ち負けを決める手法であることをこの場で確認しておきたい。

白石程度の「シーソーゲーム大好き派」であればその試合の流れを組み立てながら大技を掛け比べごっこ学芸会プロレスを演じれば、感動して涙を流して喜ぶのであろう。白石の頭の中ではシリーズ前のマッチメーク会議で決まった試合内容・勝ち負けは事前に選手同士が打ち合わせや道場でリハーサルを行うものという偏った先入観があるようである。

無論、それは昔から行われて古典的なプロレスの基本であるのは確かだがそれは今の主流とは言えない。日本人同士の闘いが主流となった今では言葉の壁も無くなり、レフェリーのコール無しで日頃の道場練習からアイキャッチで試合の流れを組むことができる。

セルとバンプをきっちりとわきまえていれば白石流劇場型シーソーゲームなどは容易いだけである。そんな試合で評価も上がりギャラがアップするのであれば全日選手は誰も反対する理由などはないはずであった。

鈍感な白石の誤った言葉使いが船木のようにガチンコセメントを本来の意味で真摯に受け止めた者に対して大恥を掻かせてしまったのである。船木がビビって反対の手を挙げたのは正直な反応であった。最初からガチンコセメントといった言葉を使わなければ船木も問題にしなかったはずだ。

白石流プロレスとは船木以下、レスラー全員が普段演じているプロレスに過ぎなかったのである。全日を始めこうしたシーソーゲーム、いわゆる学芸会プロレスのニーズは白石に限らず今のファンの主流のように感じられる。

危険を予感させるスリリングで妥協のない非情なリアルファイトよりも笑いながら安心して見ていられる勝負論無用の疑似格闘技ショーが今のファンには好まれるようである。それがマイナー競技に陥らせた原因の1つでもある。

昭和の往年のファンにはヘタなサーカスの出来損ないのような学芸会プロレスは鼻白むだけだが、ガチンコセメントを嫌い劇場型プロレスごっこが好きな平成ファンには白石流プロレスは大歓迎ではあるまいか。

白石が最初からガチンコセメントという言葉を誤用して使わなければこれほどファンを巻き込んだ大騒動には成らなかったに違いない。アンチ白石派も生じなかったに違いない。その証拠に白石が「今後はガチンコセメントの表現を変える」と言ってからはたちまち関心・興味が失せた往年のリアルファイト支持派は潮が引くようにフェイスブックから去って行った。

一時の熱気はウソのように消え去った今、ガチンコセメントという言葉アソビに耽って騒動を大きくし話題の中心になったことこそ筆者が最初に予見したように白石が企んだチンケなアングルであったと言える。
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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

ブロマガ

紹介文:門茂男主宰のユニオン元会員で、同氏には長年に渡りご交誼を賜った。ライフワークであった「ザ・プロレス365」の未発表を含む取材メモを見せて頂き、その要点を再構成した「門茂男メモ」と数名のプロレス記者から入手した情報をベースに記した昭和プロレスのテーマに迫ります。
ミスター高橋の「流血~」本で白日の下に暴かれたプロレスの実像ですが、単なる暴露もので終わるのではなく、門氏が追及したレスラーの人間性にまで同じように迫りたいという思いです。

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シンタロー

Author:シンタロー
プロレスのテレビ初観戦は小学生前の幼少期に祖父宅で見た力道山プロレス。その当時、一番印象に残っている試合は降参しないと足が折れると技の恐ろしさを足4の字固めで教えてくれたザ・デストロイヤーや、吸血鬼を連想させる噛みつきで相手を出血させるレスラーの怖さを知らしめたフレッド・ブラッシーよりも、幼心にはコミカルな妙技で笑い転げたミゼット・レスラーとのタッグマッチであった。それは祖母が馳走してくれた三ツ矢サイダーの味と共に脳裏に刻まれている。放送日の詳しいことは不明だが、昭和35年8月にミゼット・レスラー(名前は不詳)初来日の記録がある。テレビ観戦がその時期のどの試合であったかは今となっては調べようもないのが残念である。
一般総合雑誌・書籍編集者として多数のプロレスや格闘技関係の企画立案に参画し、馬場、猪木、大山倍達、木村政彦を始め多くのレスラーや格闘家を取材。プロレス界のご意見番・門茂男氏とは編集ジャーナリストの大先輩として長年に渡り公私ともども御交誼を賜った。お会いする度に未整理、未発表の「ザ・プロレス365」のラフ原稿を見せて頂き、同時に門氏が口頭で語った様々なある事件の真相や噂(裏付けが未確認)を氏の了解を得てノートにまとめ「門メモ」として所有する元ユニオン会員。

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